心を元気にする小さな工夫③

ワニ料理 CAの仕事

定番を外してみる

CAに限ったことでもないかもしれませんが、私はこの仕事を始めてから多くの「定番」が存在することに驚かされました。

バッグならロンシャンやエルベシャプリエ
キャリーケースならRIMOWA
シンガポールに行ったらラッキープラザ
バンコクに行ったらマンゴタンゴやNaRaYa(私は長いこと「奈良屋」だと思っていました。)
デュッセルドルフならハイネマンのシャンパントリュフ
ニューヨークならトリーバーチ
千歳ならもりもと
広島なら八天堂
沖縄なら占い……

新人の頃は先輩に連れて行ってもらい、たくさんの楽しい経験をしました。
CAの間で連綿と伝わってくる定番情報はそのどれもが間違いなくアタリで、私も大好きなものがたくさんあります。
一方で、慣れてきた頃に少し目線を外してみると、新しい世界が見えるものです。

ステイ先でこっそりとホテルを抜け出し、夜の街を散歩しながら何となく気になったお店に入ってみる……。
そんな小さな冒険が、固まった心を耕し、日常を楽しくする刺激になると私は感じています。

冒険の末に、選択に失敗してしまってもよいのです。トライアルアンドエラを繰り返しながら、自分のアンテナの精度を高めてゆく。感性を豊かにしていく。
その過程は本当に楽しいものです。

美味しいものを食べた時や、美しい音楽を聴いた時、「やっぱり定番は美味しいね」「やっぱり本物の音楽は違うね」と言って終わるのか、それとも自分の感性が捉えたことを、自分の言葉で語り、さらに新しい世界を求めていくのか。
せっかく何かを味わうなら、後者のように自分の心をフルに動かして味わいたいと思いませんか。

話が飛躍するようですが、日常生活や人間関係においても、定番を外してみるのは楽しいものです。
今まで避けていた人に話し掛けてみると意外に楽しかった、なんてことは経験があるのではないでしょうか……??
私のある友人は、コロナ禍によるステイホーム期間、ZOOM飲みなどが定番となる中、1人で毎日ジグソーパズルをしていたそうです。私にはなかなか思いつかない発想でしたが、彼女は「ステイホームしながらも皆んなと繋がる」のではなく、反対に「ステイホーム期間だからこそ極限まで己と向き合う」ことを試したのでした。その座禅のような時を通じて、彼女はこれまでの人生を振り返り、未来への指針を得たと話していました。ある意味、どんなお出掛けよりも遠い所へ出掛けたと言えます。

特に今はコロナ禍にあって、ストレスの多い生活が続いていることと思います。輪っかのような日常に潜む定番を見つけ、いつもと違ったアイテムや考え方、行動を取り入れてみると、思わぬ楽しさに気付けるかもしれません。

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