心を元気にする小さな工夫④

亀のパン CAの仕事

あえて時間を掛ける

機内の仕事は、時間との戦いー。

搭乗開始までに。
飛行機のドアが閉まるまでに。
ベルトサインが点くまでに。……

常にタイムリミットを意識しながら効率よく業務を遂行することが必要になります。
ご飯も2分で食べ切ってしまうなんていうCAも多いのではないでしょうか。

私は仕事以外のシーンにおいても、つい「早く済ませる」習慣がついてしまって、休日なのにどこか余裕を持てずに過ごしてしまうことに気付き、数年前からあえて時間を掛けることを意識するようになりました。いわゆる、マインドフルネスという考え方を取り入れたのです。

その頃、お家で過ごす間も何かをしながら何かをこなすというながら行動が基本になっていました。ご飯を作りながら洗濯物を畳む。コーヒーを挽きながらメールをチェックする。ひどい時には、食事をもぐもぐしながら部屋の掃除を済ませるようなこともありました。

これでは感性も失われてしまう。ある時から、目の前の物・事と向き合い、地上だからこそ味わえる感覚を大切にするようにしました。
食材にお鍋の中でどのくらい火が通ったか丁寧に確認したり、コーヒーを挽きながらその香りを感じたり、歩きながら新鮮な空気が体の管を通って入ってくるのを意識したり。良い意味で物事に時間を掛けるようにすると、心にメリハリが付いて、仕事にも良い影響が出るようになりました。

航空業界の用語は特殊です。なるべく簡素に、なるべく迅速に、なるべく正確に意味を伝達出来るように作られています。ボーディングではなく「BDG」、オレンジジュースではなく「OJ」のように。
私はそれまで朝の挨拶を友人へのチャットに打つ時でさえ「GM」(Good Morningの意味)と略して送っていました。ですが、もっと言葉を大切にしたいと思い「おはよう」と書くように改めたものです。

本当に些細な心掛けではありましたが、心に少しずつ余裕が出来るようになって、お客様の表情の小さな変化に気が付くようになったり、サービスに一工夫加えるアイデアが生まれたり、という嬉しい変化につながりました。

以上は私の経験ですが、少しでもご参考になれば幸いです。

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