ANAとJAL、CAの違いを比較④用語編

トイレの入り口に掲げられたCAのピクトグラム CAの仕事

注)マニアックな内容です。

これまでに掲載したANA・JAL比較の記事が多くの方に読まれているようでしたので、今回は用語比較をまとめてみました。

ANAJAL意味・補足
iCadiCo乗務の際に使う端末。
グループ年間を通してCAの育成を行っていく10名程度の集まり。
班会GM定期的に開催される班やグループでのミーティング。
里子ジョイン班やグループのフライトに1人だけ他から参加するCAのこと。里子として乗務した方が楽しく働けるという人もいます。
エマ訓ディッチングCAが年に1度受ける緊急時を想定した訓練。
習熟慣熟スキルを十分に身につけること。「ビジネスクラスの習熟中です」のように使います。
お席お座席客席のこと。些細な違いですが、ANAで「お座席」という言葉を耳にすることはないようですし、逆も然りのようです。
セーフティーリーダーセーフティーコーディーネーターその便において安全面のリスクを周知したり、目標を立てたりするCA。
セールスリーダーお財布担当機内販売の担当CA。
売上目標を立てたり、新商品の注意点を周知したり、実際に販売を行ったり、証票類を管理したりします。
B3(ビースリー)73(ななさん)Boeing737型機。
同様にBoeing767型機であればB6(ビーろく)、76(ななろく)と言います。なぜか「ビーシックス」とは呼びません。
CP(シーピー)CH(チーフ)客室の責任者。
Co-Pilot(コパイ)First Officer(エフオー)副操縦士のことを通例こう呼びます。
P訓(ピーくん)P訓(パイくん)パイロット訓練生。
翼上非常口Overwing Exits翼の上にある非常口。
ラン(Landingの略)レグ(Leg)乗務便を数える時の単位。「今日は3ラン乗務します」のように使います。
安全性チェック離着陸前安全確認客室内が離着陸可能な状態になっているか確認する業務。例えばシートベルトを全員が締めているかなどがそれに当たります。
AbleAlphaAのフォネティックコード。
BravoBakerB
HotelHowH
GolfGeorgeG
サンフランシスコサンフランシスコ。
LAXロスロサンゼルス。
羽田空港東京国際空港羽田羽田に限らず、空港の呼び名は色々と違いますね。
DOM(ドメ)DMS(ドメス)Domesticのこと。国内線の意味。
INT(インター)OVS(オーバーシー)国際線のこと。
パーサーインチャージ国際線におけるクラス毎の責任者。
EF(イーエフ)ST(エスティー)従業員割引やそのチケット。
つめ茶・あつ茶冷たいお茶・温かいお茶冷たい日本茶・温かい日本茶。
但しANAでも「つめ茶・あつ茶」を使うと注意される場合があります。
お客様お客さま旅客のこと。JALではひらがなを使うのがポイントのようです。
スリーピングお休み旅客が眠っていること。その場合、食事や飲み物をお渡しできずギャレーにキープしておくため、「キープのお客様」と呼ぶこともあります。
パスコールコールボタン座席に取り付けられているCA呼び出しボタン。
バリア手袋化粧室の清掃などの際に使う手袋。
特別な配慮を要するお客様条件付き運送旅客妊娠中の方、車椅子にお乗りの方などの総称。
旅不慣れ乗り慣れないお客さまそのままの意味です。地上係員からその情報が引き継がれた場合は、機内で安心して快適にお過ごしいただけるようお手伝いします。
VIP(ブイアイピー)PRM(プロモーション)企業のトップなど、特に重要な旅客。
JPちゃん(Junior Pilotの略)CVIPちゃん(Child VIPの略)単独搭乗するお子様。
アサーション確認会話業務手順や状況について不明点がある場合などに、CA同士で積極的に確認を行うこと。
「アサーションなのですが…」と前置きをすれば先輩のミスも指摘しやすく、「確認会話なのですが…」と前置きすれば自分の知識不足も鮮やかに乗り切れます。
PRIS(プリス)PRSN(プリズナー)prisonerの略で被疑者といった意味。護送人と一緒に機内の最後方の座席に搭乗されます。
メディカルキットメディスンキット機内に備えられている医薬品などが入ったキット。
BreadRoll機内で提供するパン。
Last ImpressionThank You Time主に国際線のフライトにおいて、到着直前に旅客一人一人に挨拶を行うこと。
オフホリ休日のこと。ANAでは「ホリ」と言った場合、有給休暇の意味になります。
キャリーピギーCAが空港でよく引いているバッグの呼び方。

順番もバラバラで掲載してしまいましたが、いかがでしたでしょうか。
私が一番印象的だったのは、ANA「サンフラン」、JAL「シスコ」というところです。二つを合わせるとちょうど「サンフランシスコ」。どちらが先に生まれた言葉なのか、歴史を探ってみたい気もします。
また新しい言葉に出会いましたら、随時追加していきたいと思います。

さて、今回の記事を書きながら思ったのですが、用語の比較ができるということは、お互いに対応する用語が存在するということなので、つまり本質的には一緒ということなのかも知れません。

むしろ、その会社にしか存在しない言葉にその会社のオリジナリティーが表れるのだと思います。いつかそんな記事も書きたいと思い、今はトピックを集めているところです。

コメント

  1. 長谷川 周一 より:

    ずいぶん前の記事の、ANA「サンフラン」、JAL「シスコ」について。JALの「サンフランシスコ」就航は1954年ですが、その後、1960年代にザ・ピーナッツのヒット曲(「サンフランシスコの女(ひと)」)の曲中で「シスコ」と歌っていたこともあり、JALや当時の日本国内では「シスコ」が一般的でした。しかし、私が1970年代に外資系航空会社で羽田空港にて勤務していた当時、同じくサンフランシスコ線を飛んでいたパンアメリカン航空やノースウエスト航空では、いずれも「サンフラン」と呼び、ビックリした記憶があります。ANAのサンフランシスコ線就航はかなり後ですので、JALへの強い対抗心やアメリカの航空会社では「サンフラン」と呼んでいたこともあり、そこに着地したのではないでしょうか。

    • Maki より:

      長谷川さん
      「サンフラン」はアメリカの航空会社発祥の可能性が高いのですね。歴史に思いを馳せてしまいます。面白いお話を教えていただき、ありがとうございます。

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